愛猫: こはくが虹の橋を渡りました。
2024年9月15日、愛猫こはくが、夫婦二人に見守られながら虹の橋を渡りました。原因となった病気は腎臓病、10歳でした。
子供が居ない私たち夫婦にとっては、子供に等しい存在だったので、つらい日々を過ごしています。
その後は仕事を忙しくすることで心を守っていましたが、きちんと向き合わなければならないと思い、一生忘れないためにも、闘病記録として残しておきます。
- 猫の腎臓病が気になる方
- 腎臓病の猫を飼っている方
このような方に、何か少しでも気づきとなる点があれば幸いです。
※最初に書き始めたのが9月下旬ですが、書くのが辛く、何度も分割して書いてやっと公開します。2ヶ月かかりました(汗)。
経緯
ここまでの経緯を、少し遡って書きたいと思います。
2023年10月頃
この頃に調子を崩し、血液検査をしたところ、肝臓の数値が悪くなっていました。同様の症状は三回目で、以前は胆管肝炎と診断され、原因が分からなかった病気です。
今思えば、これくらいのころに「なんとなくいつもより水を多く飲んでいるような気がする?」と感じたことがありました。すでに腎臓病の方も少しずつ進行していたのだと思います。
しかし肝臓が重篤だったこともあり、「気のせい」の域を出ませんでした。
結果論ですが、この時の血液検査で、腎臓の数値も一緒に出してもらっていたらと後悔しています。
私が通っていた病院は分析範囲を増やすとその分時間とお金が掛かるっぽい感じでした。肝臓の病気と疑っていたので、それからは肝臓関連メインで出してもらっていました。
このころから夫婦の「こはく治療記録」グループLINEを作ってメモしていたので、本ページはそれを見ながら書いています。
2023年11月
肝臓の病気は、抗生剤やステロイドがなぜかきくらしく、それらで持ちこたえながら自宅で点滴で補助しているうちに、本人の抵抗力(?)で回復していくという感じで、今回も持ちこたえてくれました。
この時は体重3.1kgです(平常時3.7kg)。
余談ですが、2回目の時は3kg弱にまで痩せ、先生も「無理に治療せずお家で」という感じだったほど悪くなったのですが、そこから立ち直った強い子です。
この頃は、ご飯もよく食べてくれるようになっており、3.3kgの記録があります。
ちなみに若い頃は、ロイヤルカナン、Acana, Origin, Goなどをあげてましたが、シニアになってからはヒルズのサイエンスダイエット(シニア用)をメインにあげていました。
体重に言及することが多いですが、うちの子はだっこが好きなので、よくついでに体重を測っていたからです。
2023年12月
普通に食べているのに、3.2kg-3.3kg前後で、「なぜ?」という記録あり。
2024年1月
食事量は、以前より減った感じがしました。もうすぐ10歳だから量も減るのかな等と夫婦で話しつつ、そこまで気にしていませんでした。
しかし、インスタの投稿を今振り返って見ると、痩せているように見受けられます。体重は3.2kg前後。
2024年2月
2/10 体重3.1kgと記録があります。
今思い返せば、肝臓の症状は出ていないのに体重が増えていません。しかし特別気になる症状はありませんでした。(肝臓の病気があったころから、たまに吐くのはありました)
暖かい日に病院に連れて行こうという話になりました。が、2月は立て込んでおり都合がつかず。
2024年3月
明らかに食が落ち、尿漏れや尿の泡立ちが確認でき、これは急ぎと判断し3月4日に動物病院を受診しました。
肝臓の症状とは異なる感じであったので、しっかり調べてもらおうと項目多めで血液検査をしてもらうことに。
その結果、腎臓の数値が悪いとのこと。猫の腎臓病は治らないので、進行を遅らせることを考えなければならない……ということを知りました。
具体的には、獣医師指導のもと以下の様な内容です。
- シニアフードから腎臓関連のフードに変更
- 定期的な補液(=点滴。何日かに一度)
- 毎日の投薬(当初はセミントラという、液体の飲み薬。後に錠剤)
ただ、症状が表に出てきた時点で腎臓病はかなり進行しているとのこと。
もっと早く気づいてあげていればと後悔するばかりです。
2024年4月~
よく吐くようになりました。この辺りから深夜に吐くことも多くなり、眠れない日が増えてきました。
食が細くなったこともあり、いろいろな腎臓ケアのフードを試し、食べた量なども記録していました。
4/7 体重2.9kgとの記録あり。過去最低クラスの体重です。
このあたりからか、セミントラが手に入らなくなっていると説明を受け、代わりの錠剤になり困りました。セミントラはちゅーると混ぜれば飲むので楽でしたが、錠剤だとそうもいきません。
毎日のことなのでストレスを減らすよう、考えることに。
結果として、薬は100均のピルカッターで半分にカット。そしてちゅーるビッツというおやつを(そのままだと大きいので)切って、その中に薬を入れて飲ませていました。
投薬専用の似たようなものもありますが、こちらの方が安価(300円以下くらいだったかな)で代用できます。すぐ使い切れないので、空けたら残りを冷凍して使っていました。
2024年6月~
6/1の時点では体重2.8kg。こはくは10歳になりました。ありがたいです。
ふらふらすることが増え、見るのも辛いです。ここで妻が動物病院に連れて行きたいと言いだしました。
できることはやっているし、連れて行ってもどうしようもないのでは!?と私は思っていましたが、なにかしたいという妻の意見で連れて行き、再度腎臓関連の血液検査を。
結果、貧血ぎみで、そのせいでふらふらしている可能性があるそうです。点滴の量・頻度が少し抑えた方が本人は楽かも(※)とのこと。連れて行かなければ点滴の頻度が多かったことが分からなかったので、結果的に連れて行って良かったと思っています。
※これは人によって意見が異なるとおっしゃっていました。腎臓だけを見れば点滴を優先する先生もいるらしいですが、生活の質を考えれば減らした方がよいのでは、というようなことを説明いただき、納得しました。
ただし数値的に「1段階ステージが上がった」ようなことを先生から言われ、数値をネットで検索してみると、ステージ4相当とのことでした。
覚悟しなければならないと思いました。
いろいろな味のちゅーるや今まで買わなかった腎臓病フードなどチャレンジするようになりました。初めてのフードの食いつきで一喜一憂する日々です。
中でも好んで食べるものは、何でもあげるようになりました。食べてくれるだけで良いと。
たしかこのあたりから、藁をも掴む思いでAIM30関連を知り、ちゅーるに混ぜてあげてみていました。いまさら&効果があるか不明なことは承知の上です。
右端がサプリ。真ん中のおやつはなぜか凄く喜んで食べてくれました。
左端のは、11歳以上の他、15歳以上、20歳以上のもありました。それだけ高齢猫の腎臓病は多いのでしょうね。
2024年7月~
口の中が気持ちが悪いようで、見ると口内炎のようになっていたようです。何でも、腎臓病になると抵抗力が弱るので、口内炎になりやすいのだとか。
もっと食べたいけれど、痛いから食べたくない、そんな感じでした。
ちゅーるなど柔らかいものが食べやすそうで、特に完全栄養食タイプのちゅーるは、大変助かっていました。低リンタイプのものも何種類か試しましたが、それらはイマイチ食いつきが悪い。。
7/29の時点では2.5kgにまでなっていました。
2024年8月~
それからはいつ何が起こるかもと、覚悟はしていたのですが、予想に反して停滞していた感じでした。
「3ヶ月前と変わらない感じ」というインスタをアップしてしまったのがフラグを立ててしまったのか、その後調子を崩し始め、ほとんど食べられない日もでてきました。
また、皮膚もタイヤのゴムのようになり、点滴の針がなかなか刺さらないように。毛並みもバサバサで束になっています。
そして8/27、体重は2.0kgまでに。こんなに減ることがあるんだと、恐ろしくなりました。また、これまで聞いたことのない弱々しい声で鳴くこともあり、辛そうです。
結果論ですが、今思えばこのあたり前後で点滴を中止するのがベストだったのかもしれません。しかし当時判断するのは難しいことだったと思います。
8/29、これまでしょっちゅう膝の上に乗ってきたこはくも、ここ数ヶ月は記憶にないくらい乗ってこなくなったのですが、膝に乗ってきました。普段と異なる行動に、怖さを感じるとともに、いつ最後になるかわからない思いでした。
このころ辺りから吐瀉物が異様なにおいがするようになり、尿毒症による影響なのかもしれません。アンモニア臭と言われるようですが、私は甘い感じに思いました。
2024年9月~
8月の終わりに、妻が動物病院に注射針・薬をもらいにいくついでに、「腎臓病のエネルギーちゅーる」があるか聞いてもらい、あったので数本買ってもらいました。
存在は知っていたのですが、ネットではセット販売しかないので躊躇していたのです。
それが超大ヒットだったらしく、とてもよろこんで食べてくれました。目の色を変えて食べてくれて、本当にありがたかったです。
すぐに(動物病院用なのに)なぜか売っているAmazonで50本セットを購入(5000円くらい)。結果的に、これが最後の近くまで食べてくれたフードでした。もともとササミ系よりもマグロ系が好きだったのでちょうどよかったです。
今手元に11本残っているので、39本も食べてくれたことになります。
低リン(約50%減)、低ナトリウム(約65%減)とのことで、腎臓病で食べられない猫には良いのかもしれません。普通のちゅーるよりも水っぽいので食べやすいみたいです。
9/2のメモを見ると、ぼーっとしている日が増え、活動レベルが下がってきました。ちゅーるやウェットフード以外に、カリカリも少量、食べていました。
このころから、いつ点滴をやめるか判断をしなければならないと感じていました。ある獣医師さんの記事に共感したからです(この記事を見て、妻がボーンブロスを取り寄せ、チュールにまぜたりしていました)。
9/4ご飯後、かなり久しぶりに(満足げに)顔を洗っていました。たぶん最後だったと思います。また、このくらいから、いつも伸びて寝ていた妻のベッドで寝なくなりました。
おそらく辛くて気持ちよく眠ることが出来なかったのでしょう。
これは9/7の写真です。
9/10 体重2.0kg。もうこれ以上痩せる脂肪は無かったのかもしれません。亡くなった時も2.0kgでした。
9/13~
9/13 食が一層細くなり、ご褒美用の無塩バター、ヨーグルト、ウェットフードなどを受け付けなくなりました。唯一、エネルギーちゅーるだけは、ゆるくて食べやすかったようです。特に、水で薄めるとさらに食べやすかったみたい。
口内炎が悪化しているようで、膿のようなものが垂れていてかわいそうでした。ときおり、辛そうに鳴いていました。
日常になりすぎて正確な日はメモっていなかったのですが、このあたりちょっと前で、腎臓病の薬を止めていたのと(飲みこむストレス)、点滴を止めたと記憶しています。
9/14~
9/14 全く食べられません。何でも食べてくれればよい、未知の味を知ってもらいたいと、バニラアイスなど嗜好性の高そうなものを近づけてもだめ。
朝の時点でよろよろしており、夜には立っていられなくなりました。
9/15~
夜中に妻が気になってあまり眠れなかったようで、隣で付き添ってうとうとしていたようです。何となくトイレに行きたそう、というのを妻が察知し、サポートしながらトイレにも行けました。
結果として、一度たりとも、最後までトイレに失敗することは無かったです。
しかし、その後意識レベルが低下し、もういつ亡くなってもおかしくない状態に見受けられました。
朝の8時の時点でかろうじて時折、目を開けており、猫じゃらしの動きにも反応する程度には見えているようでした。
そんな状態で妻はずっとつきそい。私は仕事をしながらちょこちょこと顔を見るのを繰り返して2時間ほど過ぎたころ、呼吸が普段と変わり、そのまま夫婦二人に見守られながら、10時48分に永眠しました。
私なりの教訓
腎臓病という存在や、高齢猫は非常になりやすいことは知識として知っていました。もちろん、水をよく飲むようになったら注意が必要なことも知っていました。
しかし、知識だけではだめだったようです。
夫婦ふたり、毎日一緒に生活していると変化に気がつきづらいです。しかもふたりとも在宅ワークなので、本当にいつも一緒です。
ですので、ちょっとした違和感が、極めて重要なのだと思います。
私なりの教訓をまとめます。
- シニア猫は腎臓病になるものと思っておくくらいが良い。
- 症状が出たらもうかなり進行している。延命できる余地が少ないので早く知る必要がある。
- 違和感は無視しない。違和感が頭をよぎったくらいですぐ検査する方が良い。
- 体重は測って記録するだけでは無意味。過去と比較して分析しないとだめ。
- 余裕があれば、1年に一度など検査してもよいのかもしれない(獣医師と相談して)。
- 点滴はもっと早くやめれば良かった。自分だったら早く楽になりたいと思う(結果論ですが、9月に入ってからは不要だったかも)。
特に私は体重はよく量っていましたが、過去を見返したり、比較したりがあまりできていませんでした。
それが出来ていれば、2024年1月前後で「なんだかおかしいよね」と判断できたはずです。
これに関しては、アプリなどで記録し、グラフで見た方が比較しやすいと感じました。
点滴について
点滴は苦労しました。獣医さんが自宅で点滴を行うことを承諾してくれる場合、動物病院で以下を購入することになると思います。
- 点滴
- 針
- 輸液チューブ(輸液ライン?)
- 消毒用の綿(のようなもの)
ただでさえ治療費や薬代がかかるので、少しでも費用を浮かそうと、最初の消毒綿が切れた後は、食品添加物グレードのアルコール製剤とティッシュで代用しました。
有名所&買いやすいのはドーバー・パストリーゼですが他にもいろいろあります。
注液チューブはニプロ 輸液セットを楽天で購入できます。
その他に、以下は必須だと感じました。
- 吊り下げ棒
- 吊り下げ用の量り
- 加圧バッグ
吊り下げ棒は、私は家にあった撮影用ライトの支柱を利用。
シンワ測定の量りは、何ml入ったか分からなくなるのでマストでした。パックが500mlであれば、1kg用の量りで大丈夫です。
加圧バッグは、使うと何倍も早く点滴が終わります。ストレスがかかる行為ですので、これも猫のためにはマストと思います。
セットでこんな感じです。
左下の壁の角の汚れに、こはくの生きた証拠が残っていますね。他にも何カ所もありますが未だに落とすことが出来ていません。
まだ購入されていない、腎臓病の子がいらっしゃる飼い主さんには、このセットをお勧めします。
保定について
さすがに一人では難しく、二人でおこなっていました。一人が刺す係で、もう一人が保定する係です。
Youtubeの動画などをいろいろ見ましたが、猫の性格にもよるところもあると思います。動物病院ではわりとがっしり保定していますが、無駄に緊張させたり、怖がらせてしまったりするような気がしました。
結果、ゆるく保定するのが我が家に向いているようでした。
数回、妻が出張の時に一人でやりましたが、できないことは無かったですが難しかったです。
輸液パックについて
これに限った話ではありませんが、獣医師に確認を取るのがベストです。
先生は、保存は常温でよいけど気になるなら冷蔵庫で……とのことでした。ただ、冷蔵庫で保存すると、温めないと寒がると思いますし、夏場はエアコンが効いた部屋で保存することにしていました。
前提として、ラインを輸液パックに指す際、空気を入れないように注意する必要がありそうです。
謝辞
こはくと出会わせてくれたブリーダーの工藤様。
世に生み出してくれた親猫さん(お父さんに会えましたが、かっこよかった)。
フェアリー動物病院の村中先生とスタッフの皆様。
本当にありがとうございました。深く感謝申し上げます。
最後にこはく、最後までがんばって偉かったね。普段は妻にべったりで露骨に区別されていたけど、私の膝の上にしかほぼ乗らなかったのはなぜだったのかな。よく膝の上から、振り返って上目遣いをしていたのが愛おしかったなぁ。
数え切れないほど私たちを幸せな気持ちにしてくれてありがとう。